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IHで作るチャーハンは本当に不味いのか?現役シェフが解説します。

IHで作ると美味しくない。。やっぱりガス火の方がいいんでしょうか?

IHで焼いたお肉や、炒めたチャーハンは美味しくないと言われることがあります。

ではなぜガス火で作った方が美味しく感じたのか?

普段、ガス火もIHも両方使う現役シェフの私があなたの「なぜ」を解決します!

本記事はこんな方におすすめ

  • IHで料理が上手く作れない
  • IHのちゃんとした使い方を知りたい
  • 調理の科学を知りたい
  • ロジカルに料理したい
  • IHを使いこなしたい

 本記事の権威性

サイト管理者:かえる(現役フレンチシェフ)

料理歴18年。浅草リエーブルからフランス料理の世界に入り、リゾートホテル、都内、横浜のミシュラン星付きレストラン、銀座ビストロなどで研鑽し、32歳で結婚式場の料理長。パティシエとしても5年間経験し、料理、製菓、製パンなど何でもこなします。

◆目次
1..なぜIHで作るチャーハンは不味いと言われるのか?
 1-1.加熱範囲について
 1-2.火力について
2.炒めるという調理の本質
3.IHでも美味しいチャーハンを作るには?
4.まとめ

1.なぜIHで作るチャーハンは不味いと言われるのか?

さて、なぜIHで作るチャーハンが美味しくないと言われるのでしょうか。

ネットの声を色々と聞いてみると、

・ベシャベシャになって美味しくない

・ガスで作るとパラパラになるのに

・なんとなく美味しくない気がする

などの声があります。

結論から申しましょう。

家庭の火力レベルであればIHもガス火も変わりません。作り方の問題です。

ポイントに分けて細かく説明していきます!

1-1.加熱範囲について

まずフライパンの温まる場所に注目していきましょう!

ガス火の場合

底の部分はもちろんのこと、フライパンの側面部分も熱くなるので鍋を振る時に側面部分でも熱を加えることができます。


IHの場合

フライパンとIHコンロの触れている底の部分だけが熱くなります。この場合、鍋を振ると加熱できません。


両者の場合「鍋を振る」ということで、熱を加える時間や温度に差ができます。

しかし、家庭で鍋を振る必要があるでしょうか?

正直、家庭で鍋を振るメリットは「よく混ざる」という1点のみです。

1-2.火力について

次に両者の火力について見ていきます。

家庭用ガスコンロの火力では強火MAXにしても、鍋を振った時に火と食材が触れ合うことはまずありません。

業務用レベルの火で調理してはじめて、鍋を振ることに大きな意味ができるんです。

それに大体の家では、テフロン加工(フッ素樹脂加工)のフライパンを使っている家庭がほとんどだと思います。

注意ポイント

加工されたフライパンは基本強火NGです。強火で使い続ければ加工はすぐに剥げていき、焦げつくようになっていきます。

つまり、テフロンフライパンはガス火でも強火で使ってはいけないので、IHと火力を比べても炒める時の火力は変わらないはずなんです!

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ただし、IHの最大火力が800w、1000wくらい低いものは別の話。

安いIHクッキングヒーターは、火力が低いものが多いので最大火力は1400w以上のものを選びましょう。

火力についてはガスもIHもほとんど変わらない事が理解していただけたと思うので、次に「炒める」という調理の本質について説明していきます!

2.「炒める」という調理の本質

なんのために「炒める」のでしょうか?

炒める理由を正しくわかっている方は少ないです。

大きな理由としては、

食材に火を入れる

温める

余分な水分を飛ばす

調味料と食材を一体化させる

+(業務用のコンロであれば)油をコーティングさせる

食材に火を入れたり、温めたりする目的はわかりますので他を解説していきます。

①「調味料と食材を一体化させる」というのは、

熱によって食材の持つ水分を温める事で、調味料を溶かして食材に絡めたり、しみ込ませたりする作業です。

②そして、必要以上の水分はベシャベシャになる原因なので飛ばす必要があるのです。

メモ

チャーハンのパラパラ感に見られる油のコーティングは家ではできません。

鍋から空中へ放り出され、炎に触れる事で油の膜で食材をコーティングする技術ですので家庭の小さな火では無理です。それに加えて、強火に耐えられる鉄のフライパンや中華鍋が必要になります。

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ただし、似たような効果を出すことは可能で、それが最小限の油でしっかりと水分を飛ばす事です!

次の章で美味しいチャーハンの作り方について解説していきましょう。

3.IHでも美味しいチャーハンを作るには?

ではどうすれば美味しいチャーハンが作れるのか?

ポイントは「水分をどうやって飛ばすのか?」の1点です。

テフロン加工だと強火は使えないので中火で作ることになります。

その場合、必ず炊き立ての湯気が上がっているご飯や、レンジで熱々にチンしたご飯を使った方が水分が飛びやすくなります。

そして家庭で失敗する一番の原因は量です。

一回にフライパンで作る量が多すぎるんです。中華料理屋さんのあんなに大きな鍋でも多くて2人前くらいしか一度に作りません。

イメージとしては《フライパン全面に肉を敷き詰めるようにして焼いたら、肉の表面に焼き色がつく前に水分が出てしまいよく焼けない》のと一緒で、家庭のチャーハンでもそれと同じ事が起きています。

毎日のご飯は大変ですし、限られた中で時間や手間をかけたくないのはわかりますが、そのやり方が完全にNG。

できれば一人前ずつ作りましょう。これを守れば、中火でフライパンを振らなくても十分パラパラになります!

参考

ガスとIHの味の違いで遠赤外線によるものと言っている方もおりますが、それは完全なる間違いですので気をつけてください。

炭火、オーブンなどでないと遠赤外線効果はありません。それにもしもあったとして、フライパンを突き抜けてくる遠赤外線てかなりやばいと思います。

4.まとめ

「炒める」ことや食材、IHの使い方をきちんと理解していれば大体のものは美味しく作れます。

もちろんガスでないと上手くできないもの、IHの方が勝手がいいものもあります。

大事なのは使い分けることや、それぞれの特性を理解して調理していくことです。

「これはダメ」ではなくて、まずはどうやったら上手くいくのか考えて見ましょう!

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