イタリアンの厨房でシルバーに光るアルミフライパン。
高い熱伝導率でプロに愛用されるフライパンの一つです。
しかし、このアルミフライパン。様々な特徴があって、割と上級者向けのフライパンになります。
フライパンの中では、オールラウンダーではなくスペシャリストといった位置づけでしょうか。
本記事では、アルミフライパンの特徴などを現場のシェフ目線でお届けいたします。
購入を検討している方などの参考になれば幸いです。
本記事の権威性
サイト管理者:かえる(現役フレンチシェフ)
浅草リエーブルからフランス料理の世界に入り、リゾートホテル、都内、横浜のミシュラン星付きレストラン、銀座ビストロなどで研鑽し、32歳で結婚式場の料理長。パティシエとしても5年間経験し、料理、製菓、製パンなど何でもこなします。
1-1.アルミフライパンの特徴
1-2.正しい使い方・メンテナンス
2.アルミフライパンのメリット・デメリットを解説!【現場目線】
2-1.アルミフライパンのメリット
2-2.アルミフライパンのデメリット
3.実際に使ってきたおすすめのアルミフライパン
4.まとめ
1.アルミフライパンてどんなフライパン?
アルミ金属を使ったフライパンで、表面(食材を焼く面)にテフロン(フッ素樹脂)などの加工をしていないものが一般的なアルミフライパンと呼ばれるものになります。
まずはその特徴と正しい使い方について一つずつ解説していきます。
1-1.アルミフライパンの特徴
といっても鉄のフライパンや、IH対応のしっかりとした作りのものに比べて軽いのであって、ホームセンターに売っている1500円くらいの薄いテフロンフライパンに比べたら若干重いです。
アルミ製フライパン は、大きさにもよりますが24cmで800gくらいの重さです。
「すぐに温まって、すぐに冷める」素材なんです。
そうすると、必然的に短時間で仕上げたい料理に向いている!ということになりますので、「パスタ専用フライパン」なんて言われているんです。
正直ちょっと使いにくい素材ではありますし、私がかけだしの頃に魚のポワレ(焼いたもの)をアルミフライパンで作ったら、魚の皮が見事にフライパンに全部くっついてしまいひどく怒られたのを覚えています。
アルミは高温になると食材がくっつきやすくなるんです。特にタンパク質系(肉や魚、卵など)。
そういった理由もあり、値段は他と比べて若干高い程度なのになかなか家庭では普及していないフライパンなんです。
1-2.正しい使い方・メンテナンス
アルミフライパン基本の使い方
1.まず最初に軽く空焚きし、温まったら油を入れて少しならします。
2.そこに食材を入れ焼いたり炒めたりしていくんですが、高温になりすぎると途端にくっつきやすくなるので注意が必要です!
用途としては、パスタの仕上げなどが向いているフライパンになります。
「熱しやすく冷めやすい」フライパンはじっくりと火を通したい肉、魚には不向きなフライパンになります。
タワシやスポンジでゴシゴシこすって洗っても大丈夫ですし、洗剤を使ってもOK!
ちょっと黒ずんだらレモンを入れたお湯で10分程度煮て洗えばきれいになります。
参考
フライパンの黒ずみ予防には、米のとぎ汁で10分炊くと良いそうです。私はやったことないのでなんとも言えませんが。
フライパンの裏面は、ボンスターというスチールウールのようなタワシで磨けばピカピカになります。
使い方に制限がある反面、メンテナンスは意外と簡単なので1つ持っていても良いかもしれませんね!
2.アルミフライパンのメリット・デメリットを解説!【現場目線】
さて、先ほどの特徴とメンテナンスである程度メリット・デメリットは話してしまったんですが少し深掘りして解説していきます。
2-1.アルミフライパンのメリット
①軽さ
アルミフライパンにおいて軽さは重要なポイントの一つ!
パスタの仕上げって、最後にフライパンを煽って乳化させて仕上げるので、重いフライパンではめちゃめちゃやりにくいんです。この軽さはまさにパスタ専用フライパン。お皿に盛り付ける時も軽さは嬉しいですよね。
②熱伝導率
すぐに温まるので水分も飛びやすく、時間をかけたくない仕上げに向いているんです!時間がかかるとパスタがのびてしまいますので、これもパスタに向いていますね!
ただし、熱が伝わりやすいということは、火加減の微調整が難しかったりするので注意しないとメリットと共にデメリットにもなり得る項目です。
③耐久性
耐久性に関しては問題ないですね。家庭では一生使えます。
毎日使っているレストランですら5~8年くらいもったので、家庭の使用頻度でしたら一生使えます!一生使えるのなら若干高くてもコスパ良し!
④メンテナンスのしやすさ
気を使わなくて良いので楽です!タワシ、スポンジ、洗剤なんでもござれ!気にせず洗えますし、アルミなので錆びません!熱々のまま洗えばすぐに汚れは落ちます。
ただ、いつまでも輝かせたい場合は定期的にボンスターでこすって洗ってください。鏡みたいに顔が映るくらいになりますよ。当時のシェフはそれくらいキレイにしていた方が火の入り方が違うと言っていました。実際はそこまで違う気はしませんでしたが。。。
⑤見た目
見た目がオシャレなのでインテリアとしても機能します。壁にかけておくだけでプロっぽい感じが出て良い感じに見えます。お店の壁にかかっているとそれだけでちょっと美味しそうなお店に見えます。
2-2.アルミパンのデメリット
①高温に弱い
アルミ素材というのは高温に弱いんです。熱伝導率が良い分焼きムラができやすいですし、高温はフライパンの変形や取手のぐらつきの原因となります。
②食材がくっつきやすい
正直、油があまり馴染みません。
高温にすると、途端にくっつきます。特に肉、魚、卵など。
そして一度くっつくと全然取れないんですよね。魚はボロボロになるし、肉はせっかく焼いた面が少し剥がれてしまったり。
③使う料理が制限される
「焼く」という調理法に関していうと向いていないフライパンなので調理法が限られます。
パスタのように水分を持った料理を仕上げたり、軽く煮たりするのに使うくらいでしょうか。
熱の入りが良いので、水分を飛ばすのには向いています。
④取手が熱くなる
取手もアルミ素材で、かつ熱伝導率が良いのですぐに熱くなります。
使用するには「専用の乾いた布巾」や「つかみ」が必須!
たまに忘れて触ってしまうと、火傷するので注意が必要です!
⑤基本的にはIHに対応していない
アルミはIHに反応しません。ですので基本的には使えませんが、IH対応も中にはあります。5000円~7000円くらいなので割高になります。
3.実際に使ってきたおすすめのアルミフライパン
アカオアルミフライパン。調べたらAmazonレビュー星4.5個の人気商品でした!
個人的に24cmの大きさがパスタを作るのに一番丁度良い大きさで、重さも800g以下。
値段も3165円とそんなに高くない商品です!
おまけ【アルミはフライパンより鍋のがオススメ】
ソースなどを温めたりするのによく使っていたアルミ製の鍋もかなり使い勝手が良かったので、一応載せておきます。軽く温めたり、煮たりするのにとても便利なので重宝していました。
4.まとめ
アルミ製フライパン は上級者向けです。
あくまでパスタ用など用途は限られますが、美味しさを追求するのであればとても良い一品です。
それに見た目がカッコいいので、個人的には飾って置くのも悪くないだろう。
ただし、「フライパンは一つあればいいや」という方はアルミのフライパンはNG。
使いやすくそれなりにコスパの良いテフロン加工のフライパン一択です。
自分に合っている!アルミフライパンに挑戦してみたい!パスタが好き!という方はぜひ購入してみても良いと思います。